ユトリとサトリのあいだ

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【書評】ノルウェイの森(村上春樹)

 

こんにちわ,当サイト運営者のDoです.

 

本日は大人気長編小説の村上春樹著・ノルウェイの森の書評を行う.ネタバレ要素が多数あるので,ネタバレが嫌いな方は「作品を通して読者に伝えたかったこと」まで読むとよい.

 

では,本題へ.

 

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概要

 

ノルウェイの森は,1987年に上下セットで刊行された.

 

国内の発行部数は2009年時点で1000万部発刊されており,村上春樹が人気な中国でも100万部以上発刊されている.2010年には,映画化もされた.(Wikipediaより)

 

20か国語以上で翻訳されていることから,非常の多くの国・人々から読まれている人気作品ということが分かる.

 

日本人なら読んでおきたい一冊である.

 

あらすじ

 

ノルウェイの森

 

暗く重たい雨雲をくぐり抜け,飛行機がハンブルク空港に着陸すると,天井の上からスピーカーから小さい音でビートルズの「ノルウェイの森」が流れてきた.僕は1969年,もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し,激しく混乱し,動揺していた.際限なく喪失感と再生を描き新境地を拓した長編小説.

 

ノルウェイの森

 

あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすると,あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くことーーーーーーーーーーーーーーーーーー.あたらしい僕の大学生生活はこうしてはじまった.自殺した親キズキ,その恋人の直子,同じ学部の緑.等身大の人物を登場させ,心の震えや感動,そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品.

 

 

この小説は,普通の人とは変わった考え方をする主人公ワタナベの大学生活を軸にしたものである.高校時代の唯一の親友・キズキが自殺をし,気持ちの整理をつけるために東京の大学に進学する.

 

ワタナベが,様々なユニークな人と出会い,語り,悩みながら成長していく物語だ.

 

作品を通して読者に伝えたかった事

 

私は「ノルウェイの森」は大きく2つのことを伝えたかったと考える.

 

1つ目は,生と死の関係,2つ目は性への考え方だ.

 

生と死の関係

 

一見「生」は「死」の真反対,対極に存在すると考え方が一般的だ.しかし,作中では次のような言葉が出てくる.

 

「生は死の対極にあるのではなく,我々の生の内に潜んでいるのだ」

 

生きているということと同時に死も進行している.つまり,生きている限り死とは自然な現象ということだ.

 

性への考え方

 

この作品には,マスターベーションや性交などの性的な描写が非常に多い.また登場人物の会話の中にも性的なことを示すものが多い.

 

現代の日本では,性とはいかがわしいもの・いやらしいと考えられている.しかし,性とは人間という生物にとって非常に大切なことである.

 

もっと性に対するいかがわしいという偏見をなくし,性に対しもっと柔軟に考えるべきだと感じさせられた.

 

 

感想

 

この作品は,他の作品よりも,村上春樹さんの独特の雰囲気・表現方法が生きていると感じた.

 

頭が良く,友達が少なく,物事にあまり執着心を持たない主人公.この主人公は不思議な出会いを繰り返して,成長していき少年が青年となる.

 

村上春樹の他の作品,例えば「国境の南,太陽の東」や「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」と同様の物語構成である.その中で,最も完璧に近い形で仕上がったものが「ノルウェイの森」だと感じた.

 

また,この小説を読み終わって1つ強く感じられた.やはり村上春樹は伏線を回収をしないということを.他の作中でも必ずと言ってもいいほど伏線を回収しない.

 

しかし,これこそが村上春樹の作品であり,村上春樹らしさである.

 

まだたくさんの回収されていない伏線があると思うが,私が発見したものは以下である.

 

①突撃隊が突然寮を出ていったこと

②緑の父親が言い残した言葉の意味(切符,緑.頼む・上野)

 

いくら考えても納得がいく答えが見つからなかった.何故なら,これらは作中で重要なキーになりそうに書かれているが,その後一切触れられないからだ.

 

もし,なにかいい答えを考え付いた人は是非コメント欄で教えてほしい.

 

まとめ

 

世界中で読まれている日本の小説,「ノルウェイの森」の書評をこれで終わります.

 

下に購入リンクを貼っておきますので,まだ読んでいない方は是非購入し,読んでみてください.

 

 

 

上下二巻セットと,少し長く感じられますが,その分得られるものがあると思います.

 

最後に私が作中で最も心に残った言葉を紹介して終わります.

 

ノルウェイの森㊦」,p113

 

「ときどき俺は世間を見わたして本当にうんざりするんだ.どうしてこいつらは努力というものをしないんだろう.努力もせずに不平ばかり言うんだろうってね.」

 

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