ユトリとサトリのあいだ

大学生だったり時々、虫を食べたり

【昆虫食のデメリット】なぜ昆虫食は広まりにくいのか?

 

昆虫食は日本を含めたアジアやアフリカを中心に、多くの地域で嗜まれてきた食事です。しかし、近年になってそのメリットが認知され始めると、「昆虫食を一般家庭に」という動きが活発になってきました。それは国連の機関であるFAOも食用昆虫の将来性に対する論文を発表し、その有用性を認めるほどです。

 

またインターネットを見ても、昆虫食に対する好意的な意見を多く見ることができます。なかには環境問題であったり、食糧難を解決しうる救世主のような扱いを受けているように思えるものも多くあります。

 

昆虫食がこんなにも取りざたされているにも関わらず、なぜ我々の食卓にまで普及していないんでしょうか?

 

それには昆虫食にはいくつかの

避けがたいデメリットが存在するからでした…

 

今回はそんな昆虫食のデメリットについて考察してみようと思います!

 

①気持ち悪い

みなさんは自宅に虫が出たとき、「おいしそう(^q^)」って思いますか?

 

思わないですよね…

 

ご察しの通り、多くの人は昆虫に対していいイメージを持っていません。

というより、そもそも食べ物として認識していません。

 

この一般的な認識こそが、昆虫食を広める上での最も大きな障壁になります。

 

なぜ我々は昆虫をこんなにも気持ち悪がるのでしょうか?

 これには「neverまとめ」にそれらしいまとめ記事があったので載せておきます。

 

matome.naver.jp

 

 

僕個人としては、育った集団内での考え方や、個人的なトラウマなどが影響している。と思っています。

 

やはりみんなが嫌というものは嫌になりやすいですよね。ヘビやカエルも嫌いな人多いと思いますが、何故嫌いなのか説明できる人は少ないでしょう。

 

またある考え方として「気持ち悪いから食べない」のではなく「食べないから気持ち悪い」という考え方があります。これはアメリカ合衆国文化人類学者であるマーヴィン・ハリスが提唱した説で、「食と文化の謎」という本に書かれています。興味があれば読んでみてください。

 

食と文化の謎 (岩波現代文庫)

食と文化の謎 (岩波現代文庫)

 

 

 

 

②高価

 

次に問題になるのが、昆虫食は(現状)高価であるということです。

 

これまで当ブログでは、いくつかの昆虫食の製品をレビューしてきました。

 

当然ながらその都度購入してきたんですがこれらの食品、どれもやや値段が高い… 

手が届かないほど高価という訳ではないんですが、昆虫が含まれていない製品と比べて高くなってしまいます。

 

これにはいくつか原因があります。

 

まず第1に昆虫食が普及していないということ。昆虫食を製造する企業からしても、一定した利益が見込めないため、どうしても少数精鋭的な製造になってしまいます。大量生産がコスト削減の大きなファクターとなるため、このように生産時にコストがかかってしまいます。

 

また下にもあるように昆虫食は加工に手間がかかるため、さらに製造コストが上乗せされることになります。

 

このようなことから、昆虫は他の食品に比べて高価になってしまいます 。ただしこれらの要因はどれも改善可能であるので、今後に期待が持てると思います!

③アレルギーの危険性

 

食べ物のデメリットを語る上で、アレルギーは避けては通れないポイントでしょう。

 

昆虫は生物学的には外骨格を持つ節足動物に分類されます。節足動物には他にも、エビやカニなどの甲殻類や、クモ類などがいます。

 

代表的な食物アレルギーに甲殻類アレルギーがあります。このアレルギーは、甲殻類の筋肉に含まれる「トロポミオシン」と呼ばれるタンパク質が、主な原因物質となります。

 

ここで重要なのは、昆虫がエビやカニなどの甲殻類と、非常に近縁な生物種であるということです。 

 

つまり昆虫の筋肉の中にもこのタンパク質が含まれている可能性があります。それによってアレルギーが生じる場合もあるので、甲殻類アレルギーの方は昆虫を食べるのは避けておいたほうが無難でしょう。

 

④環境への悪影響

 

昆虫食のメリットによく取り上げられるものに、環境負荷の小ささがあります。昆虫は変温動物であるため、体温を保つエネルギーを必要しません。また牛が発するゲップにはメタンガスが含まれ、温暖化を促進している、という意見もあるようです。

 

それに引き換え昆虫は、簡単にかつ短期間・省エネルギーで成長し、メタンガスなどを放出しないため、環境に優しいタンパク質源になりうる。という考察がなされています。

 

しかし、それは本当でしょうか??

 

確かに上記の面で環境負荷が少ないのは事実でしょう。しかし昆虫を本格的に養殖しようと考えると、どうしても新たな環境負荷がかかります。

 

例えば簡単なものだと、昆虫を食べるために大量培養をしようとすると、その分昆虫の飼料が必要になります。これらの飼料が人の食べるものと同じだと、そもそもの飼料を作らねばならなくなります。これによってさらなる森林の伐採などが進んでしまうかもしれません。

 

ほかにも以下の記事のように昆虫食が環境に良いとは一概には言えない事例が考えられます。環境に優しいことは昆虫食のメリットの1つと考えられていますが、それも考え直さなければいけないかもしれません。

 

forbesjapan.com

 

⑤調理・保存の手間

昆虫食はその他のタンパク源と比較して調理や保存に手間がかかります。

それには以下のような原因があリます。

 

まず第一に昆虫は傷みやすいと言われています。一般的なタンパク源である肉・魚などの魚介類も傷みやすいですが、昆虫も同様です。

 

また昆虫は魚の刺し身や、馬肉の馬刺しなどとは異なり、生ではほとんど食べることはできません。生食の安全性はどのような食材でも完全に保証されることはないでしょうが、昆虫も同様に生で安全に食べることはできません。これは昆虫の体内に含まれる細菌類や寄生虫が関係しています。これらによって重篤な症状が出る場合もありますので、生食は絶対におやめください。

 

またデメリット①「気持ち悪い」にもあるように、昆虫をそのままの形で食べることに抵抗のある人が多いです。

 

このようなことから昆虫を食べようと思うと、加工に多くの手間がかかります。

さらには加工の手間が生産費の高騰を招くことで、デメリット②「高価」の原因にもなってしまいます。

 

⑥お腹がゆるくなりやすい

 

昆虫とその他の肉や魚の大きな違いの一つに、「殻の有無」があります。前にも述べたように昆虫は外骨格を持つ節足動物ですので、殻によって自身を守っています。

 

この殻は何からできているのでしょうか。それはキチンと呼ばれる糖タンパク質です。詳しい説明はすでに以下の記事で説明しています。

 

www.yutosato.work

 

このキチンはいわゆる食物繊維の一種で、ヒトの体では分解・吸収することができません。そのため、整腸作用があります。

 

しかし食物繊維を摂取しすぎると、その整腸作用が過剰に働き、お腹を下してしまうことが考えられます。

 

特に昆虫食を罰ゲームのように1匹だけ食べるならほとんど影響はないです。しかし、昆虫を恒常的に食べようと思うと、1匹自体は小さいため、たくさん食べなければ必要な栄養量を満たさないでしょう。

 

その結果多くの殻を食べねばならず、お腹がゆるくなってしまうかもしれません。

 

 

⑦デメリットが伝わりにくい

 

冒頭にもお話しした通り、昆虫食はいまや「環境・食糧難問題の救世主」に成長しました。また昆虫食を、「あらたなるビジネスチャンス」とみる人々も年々多くなっています。

 

実際に昆虫食をインターネット検索する人は、起業のアイディア集めが目的の人も多くいるようです。

 

しかしインターネットで昆虫食を検索して出てくるものは、その多くが昆虫食を楽観的に捉えた記事ばかりで、そのデメリットを深く開設したものにヒットすることは珍しいです。

 

たしかに「昆虫食 デメリット」のように検索すると、いくつかの批判的な意見を聞くことができます。しかしその中には、昆虫食のデメリットとして「見た目だけ」のような安易な発想で書かれたものも少なくありません。

 

本当に昆虫食が広まるためには、しっかりとデメリットと向き合うことが必要なのではないでしょうか。

 

現状、昆虫食には避けられないデメリットが存在する以上、これを何かしらの方法で取り除いていく必要があります。

 

まとめ 

 

昆虫食のデメリットとして7つの要素を説明しました。

 

この他にもデメリットは存在するでしょう。味の問題であったり、健康被害の問題は食品には致命傷となるので、しっかりとした対策が必要だと思います。

 

しかしながらメリットとデメリットとは、コインの裏と表のような関係であるため、これらのデメリットをうまく折り合いをつけていけば、いつかは昆虫食が一般家庭に広まる日が来るかもしれません。

 

 

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