ユトリとサトリのあいだ

大学生だったり時々、虫を食べたり

【書評】盲目的な恋と友情/辻村深月

一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。恋にからめとられる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への―。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書き下し長編。(BOOKデータベース

 

f:id:minotake1106:20190308213710j:image

 

 

概要

蘭花」と「茂実」、そして「瑠利絵」のメインキャラクターを中心として進んでいく物語。タイトルの通り、恋と友情を主題にしたストーリーです。

 

友情とは何か?恋とは何か?そして、幸せとはなんだろう?という人生における大きなテーマを、「恋と友情」という視点から考えさせられる作品です。

 

物語のはじまり

 

蘭花は圧倒的なルックスを持ちながらも、その事実に気づいていなかった。恋すらも知らない。

そんな蘭花は、大学のオーケストラで出会った指揮者、茂実星近と恋に落ち情熱的な恋愛にふけるようになる。

しかし、それから数ヶ月経ったある日、暗く冷たい暗雲が2人を取り巻くようになり…?

 

 

「恋」と「友情」から感じたこと

 

この作品は概要にも書いた通り、恋と友情が大きなテーマになっています。

 

蘭花と瑠利絵という二人の女が別々の人物に向ける愛情は「恋」と「友情」という別々の言葉で形容され、二つの愛情の形はすれちがい、相手を、あるいは自分を傷つけます。

 

恋はこんなにも熱くて醜いのか。

友情はこんなに繊細で皮肉なのか。

 

ドロドロとした読後感とともに、「恋と友情」から感じたのは「こんな世界もあるのか」という純粋な驚きが一番大きかったです。

些細な一言で傷ついて、喜んで、嫉妬する。誰かに想いを寄せる女性の内面はこんなふうに移ろうんですね。

 

自分は、男としての性を持っています。そのため女性の深い内面が描かれたこの本はとても新鮮でした。女の人が読んだら、また別の感想が聞けるのかもしれないとおもいました。

 

明るい方向へ転がる物語ではないですが、ミステリー要素がいい塩梅で転がっている。それでいて、人の内面がえげつない深度で描写されている作品です。最後まで興味深く読めると思います。(ヒカリ)

 

おひまなかたは、ぼくの読書記録のためのインスタグラムアカウントも見てみてください!

本の虫 Lv.1 (@in_the_sea_of_books) • Instagram photos and videos